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💡 本ドキュメントは個別テーマ①の仕様書となる。全テーマ共通の要件や応募方法等については全テーマ共通の公募要領があるため、必ずそちらを合わせて確認のこと。
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1.募集テーマについて
1-1.募集テーマの背景・目的
- ブロックチェーン技術を含む分散型台帳技術は「情報を正しく記録する技術」であり、技術の発展により、資本主義の社会インフラがデジタル世界でも構築できる技術的基盤が整いつつある(登記簿=ブロックチェーン、通貨=暗号資産、市場経済=分散型取引所等)。よって、ブロックチェーン技術はデジタル世界における資本主義の高度化をもたらす可能性があるとの指摘がある。
- また、Boston Consulting Groupは、現実世界の経済活動の中で価値を持つ現物資産に対する権利やその他の権利などを表したデジタル資産(RWAトークン)の市場は、2030年までに4兆ドル〜16兆ドルに達すると予想しているほか、シンガポール政府においても、Monetary Authority of Singapore長官が“Yes to Digital Asset Innovation, No to Cryptocurrency Speculation”と題するスピーチでその可能性を言及している。
- 一方で、我が国においては、現物資産や無形資産をデジタル化して発行・流通させる市場(プラットフォーム)の構築に関して、金融分野で一定進捗があるものの、その他の分野では事業会社等が実験的なNFT発行等を行う取組が大半で、真に日本の経済・産業の発展に裨益するような現物資産・無形資産の発行・流通市場構築(例えば、クールジャパン関連の製品・コンテンツ・体験・サービス等を正当なグローバル価格で海外展開できるようにするプラットフォーム構築等)が図られていない現状である。
- この原因としては、「実利」で動く企業等にとっては価値が見えづらく、「本当に儲かるのか(どうすれば儲かるのか)」「投機的で既存製品の価値を毀損するようなものではないのか」「どのような新しい価値があるのか(既存の技術ではなぜダメなのか)」等の疑問・懸念が払しょくできていないこと、大規模な「成功例」が出てきていないことが挙げられる。
- さらに、企業による大規模な事業化への障壁として、制度的な課題・論点も存在する。例えば、我が国においては、各種デジタル資産の債権債務関係の実務上の整理(それを前提にした会計監査の円滑な実施を含む)、ブロックチェーン技術上のトークンの移転を資産の移転とみなすための要件の整理(民法の第三者対抗要件問題含む)、さらにはデジタル資産を含む無体物に所有権が観念できない現行制度等、デジタル資産の活用を活性化するための各種の制度的な課題・論点が存在する。
- よって、現物資産や無形資産のデジタル化市場(発行・流通市場)構築について、民間の実証を支援しながら、社会・ビジネス上の価値の整理(定量的数字の提示含む)、事業者向けのガイドライン整備・拡充(民法の第三者対抗要件問題等)、会計監査を円滑化するためのデジタル資産に関する利用規約のひな形の作成、中長期的に取り組むべき制度上の課題の洗い出し等を行う。
1-2.過去の関連する取組と残課題
- 民法の第三者対抗要件問題について、産業競争力強化法は債権譲渡特例を措置。新事業特例制度に申請・認定された事業者は、第三者対抗要件を具備可能。一方、これまでの申請・認定は金融(セキュリティ・トークン)関連で、プライベート/コンソーシアムチェーンのみ。
- 一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は「RWAトークンを発行する上での主要な規制にかかる考え方」を公表(2024年4月)。一方、裏付資産を移転する場合の対抗要件の処理の問題、裏付資産に商標権や著作権がある際の処理の問題といった他の法的論点、会計、税務等の論点は対象外。
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💡 本テーマについては、下記の2つのサブテーマに分けて、それぞれ実証事業を募集する。
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【サブテーマ①-1:ガイドライン作成】